パキスタン、実は3年ぶりの国際試合
インドネシアで開催されているアジア競技大会に、並々ならぬ覚悟で臨んでいるチームがいくつか存在する。例えば韓国はその1つ。彼らは金メダルを獲得すれば兵役の免除を受けることができ、その後の選手キャリアも大きく開けてくる。A代表のエースであるソン・フンミンが参戦しているのも、兵役免除を勝ち取るためだ。
別の意味で、国のフットボールの将来をかけてアジア大会に挑んでいるチームもある。それはパキスタンだ。最新のFIFAランキングでは201位。モンゴルやグアム、ブルネイ、スリランカを下回る、アジア最下位のチームである。
ただ、それには理由がある。パキスタンサッカー連盟(PFF)は、汚職が原因で2017年10月から2018年3月まで国際サッカー連盟(FIFA)に資格停止処分を科されており、あらゆる代表チームやクラブが国際大会に参加できなかった。
原因はPFFの銀行口座とオフィスが第三者によって管理されており、「各連盟は独立した権限の下で運営されなければならない」というFIFAの規約に違反していたためとされている。パキスタン政府によるPFFへの干渉は2015年頃から問題視されており、ファイサル・サラー・ハヤート会長と敵対する派閥との間での内部抗争も続いていた。
パキスタン代表にとって最後の公式戦は2015年3月に行われたロシアワールドカップアジア1次予選のイエメン戦。その後、2015年9月の南アジアサッカー選手権(SAFFスズキカップ)は出場そのものを辞退していた。