監督とのコネ疑惑を払拭した最高のゴールパレード
5-0になってから韓国は守備ラインを調整。実戦経験の少ない選手を中心に戦力を整えた。何回か守備の乱れが露わになるも、ロシアワールドカップで大躍進した守護神チョ・ヒョヌがビックセーブを連発しチームを危機から救った。そして後半アディショナルタイム、南野拓実とレッドブル・ザルツブルクで同僚のファン・ヒチャンが右足で鮮烈なフリーキックを決め、6点差に。見事な白星発進、主人公は紛れもなくJ仕込みのファン・ウィジョだった。
一気に韓国のヒーローとなったファン・ウィジョ。だが、最初から順風満帆ではなかった。アジア大会で韓国代表を率いるキム・ハクボム監督とファン・ウィジョの“ご縁”が問題視されたのである。いわゆる“コネ”で先発起用されているのではないか、とあらゆるところから不満の声があがった。Jリーグでプレーしていることも一部の悪意ある韓国サッカーファンにとっては攻撃の対象となった。
この2人の縁が深いのは確かである。キム・ハクボム監督はKリーグ屈指の名将として知られる人物。現在は2部でもがいている城南FCの全盛期を自らの手で完成させた。しかもコーチでも監督でも2回の3連覇を経験している。指導力、そして選手を発掘する能力は韓国内でも指折りだった。その能力が買われ、韓国代表の技術委員長を務めたこともある。
実はキム・ハクボム監督とファン・ウィジョは師弟関係にある。ファン・ウィジョが城南FCでブレイクした2015年、チームの指揮を執っていたのがキム・ハクボム監督だった。このシーズンにファン・ウィジョはポストプレーや裏に抜け出す動きを絶妙に利用し、なんとKリーグで15ゴール3アシストと大ブレイクを果たした。彼の活躍とともにチームも前年度の9位から5位にジャンプアップした。
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