C・ロナウド不在はやはり…
案の定、アトレティコは延長戦で勝負を決定づける2得点を奪った。ロシアワールドカップ決勝まで戦い、コンディションが万全ではなかったヴァランのミスを見逃さなかったトーマス・パルティのアシストからニゲス、104分のD・コスタの独力での突破からコケのゴールと、いずれの2点も走力で勝った結果であったと言える。
アトレティコはシーズンが始まってもいないのに、高い完成度をみせつけた。恐らくこの試合を見ていたほとんどの人が「強い」という印象を抱いたはずだ。今季の同チームには大きな期待を寄せてもいいだろう。
逆にレアルの前線は全体的にスタミナが切れていた印象があり、アトレティコの脅威とはなれなかった。モドリッチなどを投入しても結果的にはフィニッシュまで持っていける選手の動きがなければ意味がなかった。
やはりC・ロナウド不在の影響は大きかったのか。この試合、レアルは計14本のシュートを放ったが、その中でチーム最多本数を記録したのはDFのマルセロ(3本)であった。同本数で途中出場のモドリッチが並ぶなど、BBAはあまり見せ場がなかった。平均ポジションを見てみても、一番高い位置にいたのはベイル、その次はベンゼマとなっていたが、3番目に高い位置にいたのはマルセロというデータが出ている。
一方、C・ロナウド在籍時のデータを見ると、同選手は必ず一番高い位置にポジションを置いていた。やはり絶対的な得点力を持っている選手が最前線にいるというのは大きい。背番号7の存在がなかった、それがすべての敗因というわけではないが、相手陣内で脅威となれる選手はやはり違いを生み、勝負を決め切ることができる。今回の試合でいえば、D・コスタがそうだ。
ロペテギ体制でスタート切ってからまだ月日は経っていない。しかし、今後のレアルは何かを変えなければならない。どんな強豪クラブでも訪れる試練はいくつかあるものだ。気持ちを切り替え、リーガ・エスパニョーラ第1節、ヘタフェとのゲームに挑んでもらいたい。
(文:小澤祐作)
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