アジア大会開幕…?
インドネシアは自国開催のアジア競技大会をなんとか盛り上げようと、懸命に努力していることが伝わってくる。ジャカルタの空港に降り立ったらすぐに鮮やかな広告を目にし、多数のボランティアスタッフが出迎えてくれるのである。
ただ、まだ正式な開幕を迎えているわけではない。開会式は18日に予定されているが、サッカーは日程の関係で特別扱いとなり、すでに競技が始まっている。森保一監督に率いられたU-21日本代表も、14日にグループリーグ初戦のネパール戦に臨んだ。
ところが試合内容は大凡戦と言って差し支えないものだった。率直な感想を述べれば、ぬるい。もちろん多くの選手が直近のリーグ戦から中2日で、インドネシアへの移動もあってコンディション面に不安があるのは理解できる。それでも、明らかな実力差のある相手に、まだアジア競技大会そのものが開幕していないのと同様、選手たちも心身ともに大会にうまく入りきれていないような印象さえあった。
森保監督は試合後、「どの大会でも初戦は非常に難しい戦いになる」と述べ、「無失点で初戦を終えることができて、勝つことができたのは、ディフェンスの面では良かったと思う」と振り返った。確かにその通り、無失点だったことは1つの成果かもしれないが、ネパールが放ったシュートはわずかに1本。それに対して日本は22本のシュートを放ち、結果が1-0だったことを考えれば、見るべきは別の部分にあるはずだ。
ネパールを率いていたのは日本人の行徳浩二監督。かつて清水エスパルスやFC岐阜などで監督を務めた経験を持ち、アジアではブータン代表やタイのアーントーンFCなどを指導してきた。もちろん日本のサッカーも熟知しており、森保監督の戦術に的確な対策を講じてきた。