文武両道の信念を貫く
サッカー選手として順調に成長する傍らで、「教室とグラウンドの両方で一番になる」という信念も貫いた。大学等への進学を目指す学生のための資格「KCSE」を優秀な成績で合格し、2013年にケニア技術大学に入学。地理空間工学を専攻し、工学士を取得した。これが「エンジニア」と呼ばれている所以だ。
大学入学前、オルンガは「自分の教育には真剣に取り組む。サッカー選手としてのキャリアが最優先だけど、よほどのことがない限り講義を欠席することはしない」と学業とサッカーを両立させることを誓った。
オルンガの親しい友人によると、練習や試合で講義を休んだときはクラスメートからノートを借りてコピーを取るなどして遅れを取り戻したという。また、教育の重要性について「サッカーが終わってからも人生は続く。だからこそ、学校で良い成績を収めることにはこだわっている。富と名声のことで頭がいっぱいになるのは嫌だし、そのときだけ楽しければいいという人生は送りたくない」と話している。
ゴール・マヒアで充実したシーズンを過ごしたオルンガは、活躍の場を国外へと移す。ケニア最高の選手であり、オルンガがメンターとして尊敬するヴィクター・ワニヤマ(現トッテナム)の尽力もあって、2016年の冬にスウェーデン1部リーグの強豪ユールゴーデンにテスト生として参加。そこで実力をアピールし、契約を勝ち取る。
オルンガは当時、自らのプレースタイルについて「センターフォワードタイプの選手。ヘディングと空中戦は負けない。また、フィジカルを生かしてボールを収めることもできる。トップスピードはそれほどないけど、加速力には自信があるよ」と言及。さらに「クリーンなプレーをつねに心掛けている。ペナルティエリア内でファウルをアピールする行為は好きではない」と話した。