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Jリーグ 6年前

マリノスが失った金井貢史という太陽。万能性だけでない稀有な存在価値、仲間たちに託した道標

text by 舩木渉 photo by Getty Images

チームの結束力を高めたピッチ外での振る舞い

金井貢史
後輩思いだった金井。若い選手の口からは、背番号13に対する感謝の言葉が多く述べられた【写真:Getty Images】

 そして、積極的な「後輩イジり」がベテランと若手の間をつなぐ架け橋にもなっていた。とにかく後輩思いで、「貢史くん」との思い出が、若い選手たちの口から溢れるように出てくる。

 金井にとって1歳下、大卒でプロ入りした天野純は出場機会に恵まれなかった頃を「試合に出られない時も一緒に居残り練習していましたし、あの人がいたからこそ、あの時間もしっかり耐えてやれたと思う」と振り返った。

 喜田拓也はユース時代の2012年から、金井が再加入した2016年に繋がった思い出を胸に秘めてプレーし続けている。

「僕が高3くらいの頃、トップチームの練習に参加して、貢史くんがセンターバックで、俺がサイドバックでやっていました。『本当に思い切ってやっていいよ』って、よく声をかけてくれて。サイドバックとセンターバックの関係だったので、それはよく覚えているし、本当に思い切りやらせてくれる環境を作ってくれました。

 またマリノスで一緒に出来るとなった時に『すごくいい選手になったな』と言ってもらって、それがすごく嬉しかったのは覚えていますね。そうやって昔の姿を知ってくれている人が時間を空けてまた一緒にできることになって、そういうことを言ってもらえるというのはこれ以上ない喜びだったし、逆に言うとそういういい先輩に恵まれたおかげで、今こうしてマリノスというクラブでサッカーができているし、本当に感謝しています」

 金井の再加入と同タイミングでユースから昇格した遠藤渓太は「怒られたことも喧嘩したことも何度もあります」と述べ、「貢史くんがそうやって怒ってくれたから今があるし、怒ってくれていなかったら鼻が伸びていたかもしれない」と、常に自分を戒めてくれた偉大な先輩への感謝を述べた。別れ際には「オリンピックに行けよ」とエールももらったという。

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