求められるのは結果より内容
直近の2014年仁川大会は手倉森誠監督率いるU−21日本代表の初期段階のトーナメントだった。彼らは同年1月のAFC・U−22選手権(オマーン)には参戦していたものの、リオデジャネイロ世代の国内組のベストに近い陣容を集められたのはこの時が初めて。
2018年ロシアワールドカップの代表に食い込んだ遠藤航、植田直通、大島僚太らも含まれていた。が、準々決勝で今回同様に兵役免除を狙いに来ていた地元・韓国とぶつかってしまい、残り2分というところでPKを献上。チャン・ヒョンスにゴールを決められ、0−1で苦杯を喫した。ただ、この世代はアジア大会が土台作りに生かされたのは事実で、2016年1月のAFC・U−23選手権(カタール)制覇へとつながっていった。
こうした過去5大会から言えるのは、いかにしてアジア大会を有効活用していくかという点だ。ベスト4以上という結果が出なかったとしてもチーム戦術を選手に植え付け、選手個々の底上げを図れれば、その後につながっていく。今回のように大学生5人を招集しなければならなかった厳しい陣容であればあるほど、結果より内容が問われてくる。
森保監督のやりたいサッカーを選手たちがどれだけ理解し、アジアの難しい大会で実践できるのか。その中で頭角を現す選手がいるのか。そこにフォーカスすることが重要だ。果たしてこの中から何人が2020年東京五輪、22年カタールワールドカップに生き残るのか。希望の星と言われる板倉滉や杉岡大暉、三好康児らのブレイクに期待しつつ、まずは1次リーグの戦いぶりを見ていきたい。
(文:元川悦子)
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