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日本代表 6年前

【アジア大会展望】五輪代表の土台構築へ、森保Jに求められるもの。選手個々の能力アップを重視せよ

text by 元川悦子 photo by Getty Images

五輪代表への土台となるアジア大会

 まず98年バンコク大会から改めて振り返ってみると、同大会はこの2カ月前にA代表と五輪代表を兼務し始めたフィリップ・トルシエ監督にとっての初の国際舞台だった。軸を担ったのは宮本恒靖、明神智和、稲本潤一、中村俊輔らシドニー五輪8強の原動力となる面々。4強以上という目標には到達しなかったが、「フラット3」など指揮官の基本戦術を叩き込む絶好のチャンスとなった。

 翌99年4月のワールドユース(ナイジェリア)準優勝で若い世代を中心とした強固なベースができあがり、2002年日韓ワールドカップへとつながっていったのはご存じの通り。森保ジャパンにも同じ軌跡を描いてほしいという期待は大きい。

 続く2002年釜山大会は、トルシエの下で長くコーチを務めた山本昌邦監督体制発足後、初の大舞台だった。2004年アテネ五輪の主力となる茂庭照幸、那須大亮、阿部勇樹、松井大輔、大久保嘉人らで挑んだが、彼らは大会直前に当時最強軍団と言われたジュビロ磐田との練習試合を0−7で大敗。下馬評の低い中、釜山に向かった。

 だが、試合をこなすごとにチームに一体感が生まれ、選手個々も成長。「浪速のゴン」の異名を取った中山悟志らのブレイクもあって決勝まで勝ち上がった。ファイナルでは当時アジア最強の呼び声も高かったイランに敗れ、頂点こそ逃したが、この時のメンバーが軸になって五輪、A代表へと飛躍していったのは確かだ。

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