同じ中盤の選手が指摘、イニエスタの『目線』
中盤でプレーし、何度かイニエスタと対峙した21歳の上原力也は、「パスコースを消したり前に運ばせないことを意識していて、チャンスがあったら奪おうと思っていましたけど、やっぱり持ち方とか目線とかすごく上手くて。すんごい選手だなと」と振り返っている。
イニエスタが日本に来たことで、対戦相手は世界トップレベルに触れる機会を得た。チームメイトである神戸の選手はもちろん、彼らと戦う側にとっても元スペイン代表は指標となる。今回、ノエビアスタジアム神戸に乗り込んだ磐田もまた然りである。
今季、磐田で主力の一人として稼動する上原は21歳。イニエスタとの対峙で得た感覚を糧にすると言った。
今後もイニエスタはJの舞台で輝きを放つと思われる。磐田戦で加入後初めてフル出場を果たしたが、コンディションはさらに上がり、クオリティも高まるはずだ。最高の状態になった時、彼はピッチにどのような魔法をかけるのだろうか。
イニエスタのプレーには、一つひとつに意味がある。ダイレクトでパスを叩く時、ドリブルで運ぶ時、フィニッシュに持ち込む時。ボールを持たなくとも身振り手振りで味方を動かしている。ピッチを浮遊しているように見えても頭の中はフル回転しているのだろう。
そんなことを考えると、名波監督の言うイニエスタの予測はやはりずば抜けている。サックスブルーの指揮官の視点を参考に、常に未来を見ている元スペイン代表を目で追うのも面白いはずだ。
(取材・文:青木務)
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