ロシアW杯優勝メンバーがもたらした貢献度
この得点をアシストしたメンディはボールロストする場面も多かったが、実はアーセナルの攻撃を最小限に封じていたことがわかる。データサイト『Who Scored』によると背番号22の平均ポジションはハーフウェイラインより少し高めの位置を取っていたことがわかった。
シティの攻撃時はカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、アイメリック・ラポルテが3バックのような陣形を作るため、自ずとメンディは高い位置を取ることができたのだろう。それによって、対峙するベジェリンのポジションを低い位置に持っていかせることができた。アーセナルのカウンター時になかなかベジェリンが顔を出せない場面が多かったが、メンディの高い攻撃力がアーセナルの右サイドバックを後ろへと追いやった。影ながら重要な役割を果たしていたと言える(ベジェリンの平均ポジションは自陣中盤の位置)。
いずれにしても高い個の能力を随所で発揮したシティは間違いなく今季のプレミアリーグ優勝候補だ。今回はベンチスタートなったケビン・デ・ブルイネやガブリエウ・ジェズスがトップコンディションに戻ってくれば、また新たな怖さが生まれるだろう。昨季の勝ち点100を超えるようなことがあっても、何ら不思議ではない。
一方のアーセナルはいきなり王者の風貌を見せつけられる形となってしまった。次節もまた強豪のチェルシーが相手なだけに、今節のような内容を露呈してしまってはいけない。まだ評価を下すには早すぎるが、エメリ監督の船出は厳しいものになった。
(文:小澤祐作)
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