まさに地獄の開幕戦
22年間続いたアーセン・ヴェンゲル体制が終わりを告げ、アーセナルは新しい時代へと突入することになった。その序章を描くのは、ウナイ・エメリ新監督。セビージャやパリ・サンジェルマンを指揮した戦術家は、アーセナルを再び頂点へと引き上げる非常に重要なミッションを託された。
ヴェンゲル前監督とは違い、エメリ監督は今夏に積極的な補強を行った。ソクラティス・パパスタソプーロス、ベルント・レノ、ステファン・リヒトシュタイナーなどを獲得し、これまで課題とされてきた守備陣の改善を試み、ロシアワールドカップでも活躍したルーカス・トレイラも確保した。この的確な補強に、アーセナルのサポーターは大いに胸を膨らませたはずだ。
しかし、迎えたマンチェスター・シティとの開幕戦。アーセナルは昨季の王者相手にホームで0-2の敗戦を喫した。いや、完敗という表現が正しいだろう。内容はお世辞にも良いとは言えぬものだった。
攻撃陣は完全に機能不全に陥り、ミスを連発。ゲーゲンプレッシングは要所要所で効果を発揮していたが全体の連動性はまだ不十分で、シティを脅かすほどではなかった。エメリ監督の交代策も見事に外れ、アーセナルは結局目指すべき道を見つけられぬまま、試合終了のホイッスルを聞くことになったのだ。
試合終了間際には90分を待たず席を立つホームのサポーターがちらほら現れ始めるなど、アーセナルにとっては地獄の開幕戦となった。