3連敗から脱出。エースの一撃で勝ち点3
ゴールを決めた瞬間、一目散にゴール裏に向かって駆け出し、サポーターと喜びを分かち合う姿はもはやお馴染みになった。背中に「7」を輝かせ、両腕を目一杯広げて戦う者たちの声を煽る。鼓動が響き合い、真っ青に染まったスタンドの熱量は最高潮に達する。
ポルトガルから来日して2年目のFWウーゴ・ヴィエイラは、今季9つ目のゴールで3連敗と窮地に陥っていた横浜F・マリノスを不振の沼から引っ張り上げた。試合後には「すごく大事な勝ち点3で、すごく大事なものだったので、今は幸せな気持ちでいっぱい」と充実した表情を見せた。
試合展開はマリノスにとって納得のいくものではなかった。多くの選手が「内容はもっと向上させなければいけないが、今日に限っては結果が重要だった」と勝ち点3の意義を口にした通り、ショートパス主体のビルドアップを果敢なプレッシングに封じられた前半は特に厳しい戦いぶりだった。
豊富な運動量と旺盛な闘争心で知られる湘南ベルマーレは、この日も前半から積極的にプレスをかけてきた。それを嫌がったマリノスがスピードを落として後方から組み立てようとすると、最終ラインを5バック気味にしてゴール前に飛び込むスペースを消してくる。
両サイドバックやアンカーの扇原貴宏がボールを前に運ぼうとしても、パスを出し入れして相手を動かせるだけのスペースがない。前半はセンターサークルを過ぎたあたりでパスミスが起こり、カウンターで簡単にゴール前まで侵入されてしまう。GK飯倉大樹の好セーブなどでなんとかしのいでいたが、前半だけで6本のコーナーキックを与え、いつ湘南にゴールを許してもおかしくない時間帯が続いた。