イニエスタ初得点。Jに新たな歴史
待望の初ゴールは、Jリーグの歴史を永遠に彩るような超絶技巧によってもたらされた。
スペインへの一時帰国により2試合を欠場したアンドレス・イニエスタが、Jのピッチに戻ってきた。再合流後、最初の相手はジュビロ磐田。神戸はイニエスタだけでなく、怪我から復帰したルーカス・ポドルスキもスタメンに名を連ねた。
神戸の攻撃の全てにイニエスタが絡むわけではないのは、これまでに彼が出場した2試合で明らかになっていた。またこの日はポドルスキがいたため、元ドイツ代表を経由するルートも多く見られた。
“その時”が訪れたのは前半15分。ポドルスキの鋭い縦パスを、イニエスタが体を反転させながら弾くようにボールを流してDFをかわすと、GKのタイミングをずらしてゴールに流し込んだ。
イニエスタは2010年南アフリカ大会、ポドルスキは2014年ブラジル大会でワールドカップを制している。世界一を2人擁するホームチームは、最高の形でリードを奪ってみせた。
この日もイニエスタは無駄も無理もないプレーで流れを生み出し、神戸の攻撃に違いをもたらした。自身が不在の間に加入した左ウイングの古橋享梧との連係はすでに確立されつつあり、今後も大きな武器として期待できる。
そして、あのゴールである。日本中を驚愕させた衝撃の一発はなぜ生まれたのだろうか。
ネットを揺らす何秒も前から、イニエスタは自由の身だった。誰からも監視されずペナルティエリア内に侵入できたことを思えば、そしてイニエスタの能力を考えれば、生まれるべくして生まれたゴールだったと言える。