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“世界王者”フランス、現地記者が次世代のスター6人を選出。W杯優勝国にひしめく有望株たち

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

W杯で躍動したロシア代表MFも

ロシアワールドカップ
ロシアW杯でも活躍したゴロビン(左)とチャレタ=ツァル(右)【写真:Getty Images】

ウムット・ボゾク(ニーム、FW)

 昨季のリーグ2得点王(24得点)。貫禄があるので思わず生年月日を二度見してしまうが、1996年9月生まれの21歳。一昨シーズンはセミプロの3部リーグで得点王となり、引き抜かれたニームでもまたまたリーグ最多得点をマーク、チームのリーグ・アン昇格に貢献した。よりディフェンス技術の高いトップリーグでどのくらい点を決めてくるかが見ものだ。

 その彼には別の顔もある。12年間音楽学校でピアノを学び、試合前に聴くチームメイトたちのようなラップやロックではなくクラシック。柔道でも黒帯というなんともマルチな彼は、フランス生まれだが両親の祖国トルコの代表を選択している。トルコ人選手では、トルコの2部リーグからリールに入団した、やはり21歳のDFゼキ・チェリクも前評判は上々だ。

アレクサンドル・ゴロビン(モナコ、MF)

 ワールドカップ開幕戦のロシア対サウジアラビア戦、ゴールに引き寄せられるかのような鮮やかな彼のFKを記憶している方は多いことだろう。精巧なプレースキックという武器のほかに、サッカーセンスの良さを感じさせる彼のパスワークやボールキープ術にはつい見入ってしまう。トマ・ルマルやジョアン・モウチーニョを手放したモナコにとって、今季の重要な即戦力だ。

ドーエ・チャレタ=ツァル(マルセイユ、DF)

 酒井宏樹の新しいチームメイト。クロアチア代表のCBとしてワールドカップではアイスランド戦にフル出場。1m92cmの長身でヘディングにも強く、体を張ったガッツあるプレーとエレガントな足さばきが共存しているタイプだ。昨年まで所属していたザルツブルグは、ヨーロッパリーグで昨年マルセイユとグループリーグと準決勝の計4回対戦し、彼はその全戦でフル出場している。このときマルセイユの強化担当に好印象を与えたのだろう。

 今年9月で22歳になる伸び盛りだ。酒井とのコンビプレーも見られるかもしれない。

 ついこの間まで「小僧」扱いだったエムバペに、早くも「ポスト・エムバペ」と呼ばれる選手が出現するとは驚きだが、若手の発掘、育成に関しては、やはりフランスは強い。

『タレントの宝庫リーグ』たる看板をひっ提げた今季のリーグ・アンは、ネイマールやカバーニら世界のスター選手たちの活躍と合わせて、発掘したての若手や伸び盛りのプレーヤーたちにも注目したい。

(文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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