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アーセナルはどう生まれ変わるのか? 夏の補強をチェック。エメリ新監督の兵法を読む【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

ポイントは抑えられた補強に

グエンドウジ ソクラティス
19歳のマッテオ・グエンドウジ(左)やブンデスリーガで実績豊富なソクラティス(右)など補強は概ね的確【写真:Getty Images】

 エメリが基本とする4-3-3であれば、ラムジーは中盤のインサイドハーフがベストポジションだろう。ただ、スタミナと闘争本能は申し分ないものの、創造力に乏しく、攻めと守りをリンクするタイプでもない。中盤インサイドにムヒタリアンを起用し、前線に右からエジル、ラカゼット、オーバメヤンと配置した方がアーセナルらしいフットボールを展開できる公算が大きい。

 また、ムヒタリアンとラムジーの二者択一だとすれば、ボールキープの巧みさという部分でエメリも前者を選択するのではないだろうか。

 いずれにせよ、夏の最終課題はラムジーを残すのか、手放すのか、である。放出するのなら、余計な駆け引きをせずに交渉を素早くまとめなければならない。プレミアリーグ内の移籍市場は8月9日で閉鎖する。ラムジーの案件で得られる移籍金でウィングを獲得するとしても、もう時間は残されていない。

 ラムジーの去就が微妙で、ウィングの人材を欠いていても、アーセナルは22年ぶりにリフレッシュした。新しい命が生まれたとき、周囲は期待感に包まれ、精神的には前向きだ。知名度としては物足りない夏の補強も、ポイントはきっちり抑えられている。

「申し分のない強化だ。アーセナルのようなビッグクラブにもなれば、市場が閉鎖する直前にビッグディールが成立する可能性もあるが、わたしは現有勢力に満足している」

 エメリも自信のほどをのぞかせていた。今季の目標は、チャンピオンズリーグ出場権奪還だ。リバプールを除くライバルの補強が遅れている事実を踏まえれば、達成可能なミッションである。

(文:粕谷秀樹)

【了】

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