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アーセナルはどう生まれ変わるのか? 夏の補強をチェック。エメリ新監督の兵法を読む【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

22年の長きにわたりアーセナルの全権を握ってきたアーセン・ヴェンゲル体制が終わりを迎え、今季からウナイ・エメリ新監督が就任する。夏の移籍市場ではどのような選手を獲得し、新体制ではどのような戦いとなるのか。新監督の兵法を読む。(文:粕谷秀樹)

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

変化が必要だったアーセナル

うない・エメリ
今季からウナイ・エメリがアーセナルの監督を務める【写真:Getty Images】

「22年は長すぎた」

 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル前監督が、自らの在任期間を振り返った。強化、経営、健康管理など、クラブのすべてに携わり、2003/04シーズンには前人未到の無敗優勝を成し遂げた名将も、そのサイクルには少なからぬ疑問を抱いていた。

 たしかに、異例の長さではある。近年は数ヶ月、いやいや辛抱強くないオーナーになると、わずか2~3試合で監督を解雇するケースもある。選手の顔と名前が一致しないまま追われるのだから、たまったものではない。

 しかし、長きにわたって全権を管理していくと、変化よりも安定・維持を優先するようになるのだろう。晩年のヴェンゲルは金銭面で激変する環境に表面上は抗い、かといって効果的な策を練り上げもせず、時間だけを費やしていた。

 やはりアーセナルには変化が必要だった──。

 新監督はウナイ・エメリである。今年で47歳。68歳で去ったヴェンゲルより21歳も若い。当然、選手との距離は近くなり、意思の疎通もスムーズになるはずだ。

 また、副官に10年以上もエメリを支えてきたファン・カルロス・カルセドを招聘し、GKコーチのハビ・ガルシアもパリ・サンジェルマン(PSG)、セビージャで同じ釜の飯を食った、いわゆる〈ファミリー〉である。ヴェンゲル体制をよく知るスティーブ・ボールドがアシスタントコーチとして残留したものの、新生アーセナルの風通しはよさそうだ。

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