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心臓病経験のカヌ氏、基金通して542件の手術を実施「命を救う活動は、トロフィー以上の意味がある」

text by 編集部 photo by Getty Images

ヌワンコ・カヌ
ヌワンコ・カヌ氏(左)【写真:Getty Images】

 現役時代にアーセナルやインテルなどでプレーし、ナイジェリア代表としても活躍した42歳のヌワンコ・カヌ氏。現在は命を救う活動をしていると、2日に英紙『サン』が報じている。

 1996年に開催されたアトランタ五輪ではナイジェリア代表メンバーの一人として金メダル獲得に貢献。しかし、大会終了後に心臓弁膜症を発症し、一時は選手生命も危ぶまれた。手術やリハビリを繰り返しながら、15ヶ月間の歳月を経て1998年2月に復帰している。

 当時の経験がきっかけで、2000年にはカヌ心臓病基金を設立した。同紙によると、心臓病に苦しむアフリカ全土の子供たちを救うため、これまでに基金を通して542件の手術を実施。数多くの命を救ってきたという。カヌ氏は同紙のインタビューに答え、心臓弁膜症を発症した当時のことを振り返った。

 「私には何の症状も兆候もなかった。疲れや咳もない」とし、「いくつか健康診断を受けた後、心臓に問題があることを知った」と語っている。続けて「他にも多くの医者に診てもらったが、誰もが同じように言ったよ。もうサッカーをすることは出来ないってね」とコメント。

 また、試合中に心臓発作で急死したマルク=ヴィヴィアン・フォエやシェイク・ティオテの例を出し、「立っていても走っていても何も感じなくても、大丈夫とは限らない。サッカーをすることで死んでいく選手を何人も見てきた。問題はなぜ、チームドクターはそれを防ぐことが出来ず止めることが出来なかったのか、ということだ」と語った。

 さらに「我々には非常に素晴らしい医者がいる。それを見つけて、そのような選手たちを助けなければならない。3ヶ月に1回でも定期的にチェックすることは大切だろう。足首や膝を怪我しても、場合によっては6ヶ月経てばプレーに復帰できる。しかし、命を失ったら全て終わりだ」とし、「私にとって、一つの命が救われるということは、トロフィーを獲得する以上の意味を持っている」とも答えている。

【了】

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