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Jリーグ 6年前

広島、4ゴール完勝の理由。『量』ではなく『質』で圧倒、試合を決めた“あの時間”の強かさ

text by 青木務 photo by Getty Images

連続ゴールで一気に試合を決めた

 そして、広島が『質』で圧倒したのが後半立ち上がりだ。46分に右CKからパトリックが頭で決めて2-0とする。試合後、CKからの得点について問われた城福監督は「選手ももう一回やるのかというくらい刷り込んで試合に乗り込んできている」と、時間をかけて構築してきたゴールだったことを明かしている。積み重ねによって向上させた『質』を披露した。

 さらに49分には自陣左サイドで相手のパスをカットすると、縦で受けた柏好文が中に持ち込みながらゴール前の様子をうかがう。右から斜めに走ってきた柴崎晃誠にタイミングよくボールを送ると、柴崎の丁寧な落としを渡大生が右足で流し込んだ。前半から裏のスペースやギャップを狙ってきたが、そのプレーが結実すると同時に、一気に試合を決める強かさを見せた瞬間だった。

 前節は浦和レッズにホームで1-4と完敗。悔しさを色濃く残し、チームは中3日でアウェイに乗り込んできた。

 浦和戦から入れ替えたのは2トップの一角のみで、横浜FM戦ではパトリックの相棒に渡を起用。他の10人に変更はなかった。また、城福監督は控え組の重要性を選手たちに説いてきたという。そしてこの日、広島はティーラシン、川辺駿、ベサルト・ベリーシャが途中からピッチに立った。いずれもいい形で試合に入り、集中力の高いプレーを見せている。

「強く言いましたし、悔しい思いをしたのでやらなきゃ嘘だと思います。ただ、自分たちの目標を考えたら僕が言わずとも、彼らならやってくれたんじゃないかなと」

 後半アディショナルタイムには、ベサルト・ベリーシャのラストパスを受けた川辺が狙う場面があった。新加入FWは自らフィニッシュに持ち込めるシチュエーションだったが、フリーの川辺をよく見ていた。勝利はほぼ決まっていた時間帯だけに強引さを見せても良かったのかもしれないが、最善のプレーを選択。彼もまた要求にしっかり応えたと言えるのではないか。

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