ベトナムのW杯出場の夢を託されたトルシエ氏
この時は、ベトナムサッカー連盟(VFF)かPVFかどちらの仕事で訪越したのか定かではなかったが、数日後にPVFがクラブ公式Facebookなどを通じてトルシエ氏の顧問招聘を認めた。
さらに6月末には、PVFの練習場でフォーヒエンFCのコーチ陣に、身振り手振りを交えて指導法を熱血レクチャーする姿も見られた。トルシエ氏は当面、顧問として常駐で働く予定だが、近いうちに、より重要なポストに着任し、若手育成カリキュラムの作成や指導者育成などで辣腕をふるうことが期待される。
PVFがトルシエ氏を顧問に招聘した理由は、同氏が南アフリカ代表(1998)と日本代表(2002)を率いて2度のワールドカップに出場したという実績を買ってのことだろう。PVFは、2030年までにベトナム代表をワールドカップに初出場させることを目標に掲げており、この野望を果たすべく、欧州、アフリカ、アジアでも経験が豊富なトルシエ氏を招聘した。
PVFからは、既に1期生と2期生が卒業し、プロの舞台で戦っている選手も多い。アンダー世代のベトナム代表も大勢輩出しているが、今後はより優秀な才能を育てて、ベトナムサッカー界をリードしていきたい考えだ。
(文:宇佐美淳【ベトナム】)
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