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Jリーグ 6年前

【英国人の視点】第一歩は“イニエスタの完封”。柏レイソルは再び立ち上がれるのか。日立台に立ち込める暗雲

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

連勝なく連敗。柏の問題点とは?

 レイソルの置かれた状況はあまり望ましいものではないと感じられる。今季の日立台にはほぼいつも暗雲が立ち込めているかのようだった。

 元日には、昨季J1を3位で終えていたセレッソ大阪が天皇杯のタイトルも手に入れたため、レイソルにはAFCチャンピオンズリーグの最後のひとつの出場枠が転がり込んだ。だがその大会は、グループリーグ6試合でわずか1勝しか挙げられず屈辱の形で終えることになった。

 リーグ戦の前半戦もチームの調子は安定せず、今年に入って一度も2連勝を飾ることはできていない。昨年8月にアウェイの清水戦に4-1、同じくアウェイのガンバ戦に1-0で勝利して以来、連勝のない期間が続いている。

 その結果として、ワールドカップ中断まで残り2試合となった川崎フロンターレ戦に1-2で敗れたあと下平監督はチームを去ることになった。昇格した加藤監督は、名古屋グランパス戦には監督交代効果で3-2の勝利を収めたが、今月の中断明けからは3連敗。7月11日に行われた天皇杯の試合でモンテディオ山形のBチームに1-2の敗戦を喫したのに続き、J1の2試合にも敗れている。

 負傷者が出ていることや、主力選手が調子を落としていることも不安材料だ。中村航輔の2試合連続の脳震とうは非常に心配であり、昨季のJリーグ最優秀若手選手である中山雄太も離脱。大谷秀和は年齢の影響を感じさせ始めており、エースのクリスティアーノは3月10日以降リーグ戦でわずか2回しかゴールネットを揺らしていない。

 鹿島に大敗した先週末の試合では大谷もクリスティアーノも後半に途中交代。チームは守備面で何もできないまま鹿島に蹂躙されてしまい、攻め込まれるたびに失点の危機に晒されていた。

 中村の代役である桐畑和繁は2失点目の場面でミスがあったが、その他の失点はほとんどどうしようもないものだった。レイソルのマークは信じがたいほど甘く、アントラーズ攻撃陣は全くプレッシャーを受けることなく好き放題にプレーすることができていた。

 土居聖真による4点目、そして安西幸輝による5点目の場面で特に顕著だった。元東京ヴェルディの安西はセンターサークルの自陣側から何の妨害も受けずに独走してゴールを決めることができた。

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