困難を極める兼任監督としてのミッション
「兼任監督ということで、東京五輪代表チームも監督させていただきながら、日本サッカーに貢献していきたい。2つの代表の監督をするのは本当に困難なこと。1人でやるのなら不可能なことですが、日本サッカー界、日本代表を支えてくださる多くの方々のお力をお借りしながらチームを作っていけば、その不可能が可能に変わる。2つのチームを同時に見ていくことが、大きな成果につながると思っています」
4年後のカタールワールドカップに向け、日本代表の指揮を執ることが正式決定した森保一新監督は26日、急きょ開かれた就任会見でこのように所信表明を行った。その表情には覚悟と決意がにじみ出ていた。
かつて1993年10月28日の「ドーハの悲劇」を経験したクレバーなボランチは、25年の時を経て日本代表の指揮官となり、世代交代と世代間の融合を図り、ロシアワールドカップを超える強いチームを作るための先導役としてフル稼働していくつもりだ。
香川真司も「僕はアンダー世代から一緒にやらせていただいているし、ロシアでもみんなとコミュニケーションを多く取ってくれた。ポーランド戦が終わった後も、ロッカールームで森保さんが非常に厳しい顔つきで『次に向けてやるぞ』と。『グループリーグ突破は決まったけど気を抜かずにやり続けるんだ』って言ってる姿が非常に印象的だった。それくらい勝利や高い目標に向かっていく姿勢を感じた」と10年来の恩師との強固な信頼関係を口にしたが、真面目な人柄の森保監督はすでに日本代表の主要メンバーの心をがっちりとつかんでいる様子。そこは大きなアドバンテージと言えるだろう。