若い世代をいかにA代表に取り込むか
4年後のカタールワールドカップで東京五輪世代から1人でも多くメンバーに選ばれることが兼任の成果と言えるが、常識的に考えればメンバーの最大勢力になるのはリオデジャネイロ五輪世代だ。西野朗前監督はヴァイッド・ハリルホジッチ監督から引き継いだチームを短期間でうまくまとめたが、結果としてリオデジャネイロ五輪世代から4人(中村航輔、植田直通、遠藤航、大島僚太)しかロシアワールドカップのメンバーに選出されず、最終的に1人も試合のピッチを踏むことなく大会を終えたのだ。
そうした事情を当時のコーチでもあった森保監督がどう受け止め、まずはアジアカップに向けて彼らをどのように新チームに組み込んでいくのか。東京五輪世代を含めた大きな世代交代の前に、小さな世代交代が求められる。
では、これまでワールドカップの本大会からアジアカップの間にどれだけメンバー構成が変わっていたのだろうか。アジアカップの開催が奇数年になり、ワールドカップの翌年に行われるようになった2007年大会から3大会のデータを取ってみた。
2007年のアジアカップは7月に行われたので前年のドイツワールドカップから1年経っているが、23人中の13人が入れ替わり、平均年齢も27.2歳から26.0歳に下がっている。2大会に渡ってチームの地盤を支えた“黄金世代”から多くの選手が外れた一方で、“オシム・チルドレン”と呼ばれたジェフユナイテッド市原・千葉の選手たちが多く選ばれた。考えながら走る「オシムイズム」は現在の日本代表にもつながる影響をもたらしたが、結果は4位で過去2大会に続く3連覇を逃した。ちなみに五輪世代の選手は伊野波雅彦と水野晃樹の2人だった。
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