注目される初戦の陣容
9月7日の初陣で、森保新監督はどのような采配を振るうのだろうか。前体制ではコーチとして西野監督を支えており、[4-2-3-1]も視野に入れているかもしれない。ただ、サンフレッチェ広島時代に5年で3度のリーグ優勝に導き、現在U-21代表でも用いている[3-4-2-1]は指揮官の“色”を表すものだ。使い慣れた3バックシステムにトライするのではないか。
一方、メンバー選考については心配もある。U-21代表で臨むアジア大会が8月に開催されるため、視察などに時間を割けないと考えられる。森保監督は兼任の難しさを早速、体感することになる。ロシアワールドカップのメンバーを中心に、フレッシュな顔が少し混ざるような形だろうか。
GKは東口順昭、中村航輔を筆頭に国内組にも実力者が揃う。特に浦和レッズの西川周作は広島時代に森保監督のもとでプレーしている。また現在J1で首位を走る広島の林卓人もリーグ屈指の守護神だ。
昌子源にはディフェンスリーダーとしてさらなる成長が求められる。吉田麻也もまだまだ欠かせぬ存在だ。植田直通らリオ五輪世代の飛躍も重要だ。東京五輪世代の板倉は所属クラブで3バックの一角でプレーしている。高さがあっても技術もある。競争を勝ち抜く可能性を秘めている。
[3-4-2-1]が基本になるならウイングバックは肝になる。広島時代はアタッカータイプの選手がアップダウンを繰り返したが、代表ではどうか。攻守両面で高いクオリティを持つ安西幸輝は面白い存在かもしれない。ボランチの青山敏弘は森保監督のサッカーを熟知している。
前線は大迫勇也を軸に、広島時代に森保監督の薫陶を受けた浅野拓磨の巻き返しにも注目。五輪世代では三好はシャドーの位置で主力になれるポテンシャルがあり、ロンドン五輪世代の東慶悟はFC東京で出色の働きを見せている。
森保監督は就任会見で、世代交代の必要性を口にしつつ競争の重要性にも言及した。兼任という難しい仕事を託された新指揮官は、どのような陣容で初戦に臨むのだろうか。
(文:青木務)
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