ブンデスリーガ全体がバイエルンの下部組織化
ドルトムントの失速はバイエルン一強時代の始まりであったことは間違いない。が、それだけが原因というわけではない。
やはりバイエルンの補強策は他の17クラブからすれば厄介なものである。
それまでドルトムントの主力を担っていたレバンドフスキ、ゲッツェ、マッツ・フンメルスはバイエルンに引き抜かれている。さらに昨季はホッフェンハイムからセバスティアン・ルディ、ニクラス・ジューレ、サンドロ・ヴァーグナーといった選手を獲得。今季はシャルケからレオン・ゴレツカをフリーで獲得するなど、同リーグのクラブからかなり戦力を補充しているのだ。さらにはロシアワールドカップで大活躍し、一気に評価を上げたシュトゥットガルト所属のバンジャマン・パバールまでもチームに加えようとしているようだ。
弱肉強食の世界であるため、文句を言うことはできない。バイエルンは魅力のあるクラブだし、同クラブへの加入に憧れを抱いている選手も多いだろう。実際、フンメルスはタイトル獲得を熱望していたためバイエルンに加入したと言われている。
しかしバイエルンによる国内クラブからの選手引き抜きは明らかに多い。新シーズンの監督に迎えるのも、フランクフルトを率いていたニコ・コバチ監督である。こうした行為には国内からも批判の声が挙がっているという報道を何度か見たが、防ぎようがないのは明らか。それと同時に、ブンデスリーガが「つまらなく」なっている原因の一つであることも明らかだろう。
まるでブンデスリーガ全体がバイエルンの下部組織であるかのような状態だ。今後もこうした補強が行われるようであれば、バイエルンの独壇場はしばらく続いていくだろう。
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