クロップ去りし後、ドルトの勢いは半減
バイエルンの独壇場となっている同リーグ。一つのポイントとして、ボルシア・ドルトムントの失速が挙げられるだろう。やはり絶対王者に唯一対抗できた同クラブの不振は、ブンデスリーガに大きな影響を及ぼしている。
2007/08シーズンよりユルゲン・クロップ監督に率いられたドルトムントは、間違いなく黄金期を迎えていた。ロベルト・レバンドフスキ、マルコ・ロイス、マリオ・ゲッツェなどが続々とブレークを果たした同クラブは「ゲーゲンプレッシング」というスタイルを確立。若手が主力だったドルトムントに走力と体力を生かしたサッカーを植え付けると、瞬く間に欧州を席巻したのである。
2010/11シーズン、翌2011/12シーズンとリーグ連覇を達成。2012/13シーズンにはCL決勝まで上り詰めた。
しかし、2014/15シーズンにリーグ7位に終わったドルトムントはここから停滞の時期へと突入することになる。クロップは指揮官の座を退き、後任にはトーマス・トゥヘルが就任した。だが2シーズン率いて獲得したタイトルは国内カップ戦のみ。主力もかなり引き抜かれ、後釜として加入した選手も揃いに揃って不発に終わった。
そして昨季開幕前にトゥヘルは監督の座を降りた。その後はペーター・ボスやペーター・シュテーガーが指揮官に任命されたが、試行錯誤を繰り返すばかりで結局答えを導き出すことはできなかった。昨季はCLグループリーグ敗退、ヨーロッパリーグ(EL)はベスト16で姿を消した。肝心なリーグ戦でも4位フィニッシュになるなど、不本意なシーズンを過ごしてしまったのである。
数年前まで肩を並べていたバイエルンは気づけばリーグ6連覇を果たしており、2016-17シーズンの収益もバイエルンの5億8,780万ユーロ(約797億円)対し、ドルトムントは3億3,326万ユーロ(約451億円)であった。いつの間にか両者の間には大きな溝ができていたのである。