本田はオーストラリアに渡るのか
先日、本田圭佑は“ダウンアンダー”の地に降り立つかーーという内容の原稿を書いた。メルボルン・ビクトリーが、本田にとって良い選択肢たり得る理由も思いつくままに書き記した。そこから一歩踏み込んで、願望がさらに先走っていることを自己認識しつつ、「もし、本田圭佑が豪州に来るのならば」という仮定の下で話をさらに一歩進めたい。
Aリーグのクラブの経営規模を考えると、オーストラリアサッカー連盟(FFA)が大物スター選手の獲得資金を一部肩代わりする「ゲスト・マーキー」制度を使ってでも本田の獲得に参戦できるクラブは、10クラブ中半分にも満たない。
具体的には、メルボルンの2クラブ、今回噂になっているメルボルン・ビクトリーとその“クロスタウン・ライバル”であるシティ・フットボール・グループ(CFG)傘下のメルボルン・シティ。そして、シドニーFCの3クラブくらいが、実際に動ける体力のあるクラブであろう。その中でも、CFGのネットワークでの独自の強化戦略のあるメルボルン・シティは、本田獲得には興味がなかったはずだ。
シドニーFCは、昨季リーグ得点王のブラジル人FWボボが抜けた穴を埋めるべく、元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスを、今回のメルボルン・ビクトリーの本田獲得と同様のケース、すなわち「ゲスト・マーキー枠」で獲得しようと試みていた。
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