対戦カードによっては苦手意識も見られた
今回のワールドカップを見ていて、対戦カードによっては相性とか苦手意識みたいなものが出ると感じたよ。例えばブラジル対メキシコ。ブラジルは、どう転んでも俺たちは負けないというサッカーをする。メキシコは一生懸命やるんだけど、全ての面でブラジルが上だなという構図に見えるんだよね。メキシコは小さなブラジルというイメージだね。
デンマーク対クロアチアでは、クロアチアが意外と苦手意識があると感じた。デンマークはでかいし強いし、繋げる上手さもある。そうするとクロアチアが差をつけるところがなくなる。クロアチアの出方を見てデンマークがそこを全部潰してくるし、クロアチアがたじたじになる。モドリッチとラキティッチがいても、根こそぎ持っていかれてしまう。
メキシコのチチャリートでも、ブラジルのCBに勝つのは難しい。もっとスピードがあるか、強い奴が入ってこないと。クロアチアを見ていても、マンジュキッチでもデンマークの高さや強さで上回れない。1試合で2回くらいしか差をつけるところがない。そこをデンマークが抑えちゃうと、長い勝負になる。
フランスもエムバペがいなかったら苦しかった。いなければ戦い方も変わってもっと攻撃的になったかもしれないけどね。僕の息子はフランスの攻撃が凄いって言っていた。それでワールドカップを見たら、あれ?って(笑)。完全に勝ちに来ているメンバーなんだよね。ドイツを翻弄していた選手がいないんだもん。まあ、勝ちに行く時っていうのはそういうものだよね。
▽語り手:宮澤ミシェル
1963年7月14日、千葉県出身。Jリーグ黎明期をプレーヤーとして戦い、94年には日本代表に選出された経験を持つ。現役引退後は解説者の道を歩み、日本が出場した過去5大会のワールドカップを現地で解説している。様々なメディアで活躍。出演番組にはNHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』、WOWOW『スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などがある。
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