日本サッカー協会の関塚隆技術委員長【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は20日、東京都内で代表チームの強化などを担う技術委員会を開催した。
その中で、今月末で退任する西野朗監督の後を引き継ぐ日本代表監督の候補者が一本化されるという報道もあったが、現時点では未定のままだという。
技術委員会を終えて報道陣の取材に応じた関塚隆技術委員長は、各部会やワールドカップの報告とともに、次期日本代表監督に関する議論があったことを明かした。そして「今後については技術委員会から一任を受けたので、選定方法に沿ってこれから進めていきたい。今日誰というところまでは至っていません」と述べた。
話し合いの中では、これまでに重視していた日本代表監督に求める要件に加え、ロシアワールドカップを経て新たな議論が生まれたという。そのうえで「日本のフットボールの評価ということで、日本のストロング、これを引き出していける、この戦い(ロシアワールドカップ)をゼロにせず、ベースにした形で世界基準に、より高いところに進んでいけるかが一番のポイント」と、新監督を選ぶ上で重視する基準にも言及している。
技術委員会の中では「4、5人は例えばというのは出ました」と、数人の候補が挙がったことも関塚氏は明かした。ロシアワールドカップで日本代表のコーチを務めた森保一氏や、前アーセナル監督のアーセン・ヴェンゲル氏らの名前も報じられているが、「名前が一人歩きしてもいけませんから、しっかりと決まりしだい皆さんに示したい」と具体的な候補については言及を避けた。
ただ、日本人も外国人も双方に良さがあることを認めており、こだわらずに新監督を選定していくつもりのようだ。「日本らしい戦いを継承していく、あるいはそれができる監督が、そこが現れた大会だった。それをよりしっかりと分析して、適した監督に、ふさわしい監督に決めたいというのが(技術委員会内で)一番強調されていた」と関塚氏は語る。
当初は早ければ26日のJFA理事会で次期日本代表監督が決まるとみられていたが、関塚氏は繰り返し「進捗しだい」と強調しており、今後の具体的な日程は白紙の状態。
技術委員会から新監督の選定について一任を受けた関塚氏が、候補者との交渉を進めたうえで改めて理事会に推挙し、採決を経た上で明かされることになる。20日の段階では「(監督に求める)いろいろな要件は確かにあります。ただその中の優先順位や、どれをベースにして選定したかというのは(新監督の)決定後にしっかりとお話できるようにしたいと思っています」と述べるにとどまった。
(取材・文:舩木渉)
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