クロアチア代表のズラトコ・ダリッチ監督【写真:Getty Images】
クロアチア代表のズラトコ・ダリッチ監督が、同国代表チームのロシアワールドカップ準優勝による賞金全額を寄付することを表明したとして話題となったが、これはいわゆる「フェイクニュース」だったことが明らかになった。
ロシアワールドカップで決勝進出を果たしたクロアチアは、フランスに敗れたとはいえ同国史上最高成績となる準優勝で大会を終えた。この結果により国際サッカー連盟(FIFA)から2800万ドル(約31億6000万円)の賞金を受け取ることになる。
その賞金全額を子供たちのための基金に寄付するという声明が、クロアチア代表のオフィシャルページだとされるフェイスブックアカウントで17日に投稿された。ダリッチ監督の名前が記された声明にはクロアチアの政治家らへの批判なども含まれ、スペイン『アス』紙やイタリア『メディアセット』など各国大手メディアでも取り上げられていた。
しかし、声明が投稿されたアカウントは虚偽のものであり、クロアチア代表のオフィシャルページではなかった。ダリッチ監督の声明も本人によるものではない。実際に声明を書いたのはイゴール・プレムジッチ氏という人物だった。
プレムジッチ氏は13日付で、虚偽のクロアチア代表アカウントに掲載された声明と同じ文章を自身のフェイスブックアカウントに投稿していた。その冒頭には「パラレルワールド ズラトコ・ダリッチによるクロアチア国民への公開書簡」とタイトルが記され、ダリッチ監督本人の手による文章ではないことが示されていた。
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