ロシアワールドカップの「真の得点王」は誰なのか。PK3本のケイン(中央)はふさわしくない?【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップの得点王は、6ゴールを奪ったイングランド代表のFWハリー・ケインが獲得した。
しかし、6得点のうち3得点がPKだったことによって「ケインはワールドカップ史上最低の得点王」「史上最も印象に残らない得点王」などといった厳しい評価も下された。
では、PKによるゴールを除いたら誰が“真の得点王”になるのだろうか。ケインはPKなしであれば3ゴールのため、2位タイだった4ゴールを奪った選手たちを下回る。
今大会で4ゴールを挙げたのはロシア代表のMFデニス・チェリシェフ、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド、ベルギー代表FWロメル・ルカク、そしてフランス代表のFWアントワーヌ・グリーズマンとFWキリアン・エムバペである。
このうちC・ロナウドが1本、グリーズマンが3本のPKを決めているため、オープンプレーから4ゴールを奪ったのはチェリシェフ、ルカク、エムバペの3人となる。
同率首位ではあるが、あえて「王」を決めるために順位をつけて1人に絞るとすれば、次の基準となるのは「出場時間」だろう。7試合に出場したエムバペが534分、6試合出場のルカクは476分、そしてベスト8で敗退し5試合の出場だったチェリシェフは、わずか304分である。
以上より、90分あたり1.18ゴールという際立った数字を残したチェリシェフが、オープンプレーからのゴール数が多い上に1試合平均の得点率の最も高い「真の得点王」と言えそうだ。
開幕当初は主力ではなく、チームメイトの負傷によってチャンスを掴み、飛ぶ鳥を落とす勢いでキープレーヤーになったチェリシェフ。開催国ロシアの躍進を象徴するアタッカーは、ワールドカップで眩い輝きを放った。
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