サガン鳥栖の竹原稔社長とフェルナンド・トーレス【写真:編集部】
J1のサガン鳥栖に入団することが決定した元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスは、15日に都内で入団会見を行った。会見後にメディアの取材に対応した鳥栖の竹原稔社長は、トーレスの獲得に至った経緯や今後のスケジュールについて説明している。
アトレティコ・マドリーに所属していたトーレスが、2017/18シーズン限りで退団することを表明したのは今年4月9日だった。竹原社長によれば、鳥栖は「退団発表からすぐに」トーレスの獲得に動き始めたという。トーレス自身も鳥栖が「最初に関心を示してくれた」ことが決断の決め手になったと話している。
必ずしも最初から「ビッグネーム」の獲得に的を絞っていたわけではないが、新戦力候補をリストアップする中でトーレスは「すぐにリストの1位になった。欲しい選手になった」とのこと。「人柄やプレー、その全てが1を1.1にできる、1を1.2にできる選手だと思った」と獲得に動いた理由を語った。
トーレスとの交渉を行う上で、「金の話はあまりしなかった」と竹原社長は語る。「サッカーに対する考え方や、これからの彼の人生について話をした。その(金の)話をしなかったのがかえって良かったのかもしれない」とした上で、「日本という国は安全で、これからサッカーを強くしていきたいという思いもある。日本という国を気に入ってもらった」と、トーレスの決断の理由について考えを述べた。
契約に関わる具体的な金額を明かすことはないが、「皆さんが思っているほどのお金ではない」と竹原社長。「アメリカや中国やオーストラリアのチームの方が、はるかに、はるかに上だったのでは」と、他国からのオファーとの比較について語った。一方、契約期間についても竹原社長は明言を避けている。
トーレスの背番号は、これまでのキャリアのほとんどの時期で身につけていた「9番」となる。これはトーレス側からの要求ではなく、クラブの側から「お勧めした」ものだという。これまで9番を使用していたFW趙東建も、「彼が来るならば、チームを盛り上げようということで」19番への変更を快く了承したとのことだ。
今後のスケジュールとしては、トーレスは16日には佐賀でのイベントに参加したあと、チームの練習に合流して「軽く汗を流す」とのこと。18日にはアウェイでの湘南ベルマーレ戦が行われるが、登録上まだ出場できないトーレスはチームに帯同せず、鳥栖に残って調整する。出場が可能となる22日のベガルタ仙台戦に「最短で出場するつもり」でトーレスはコンディションを整えているという。
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