カンテとポグバ。モドリッチとラキティッチの激突
フランスは、カンテが奪ったボールをポグバが前線へ送り込むことでカウンターが発動する。エムバペのスピード、ジルーのキープ力、グリーズマンのプレービジョンが生きる否かはポグバ次第だろう。
ベルギー戦では、フェライニによる徹底マークでプレーを制限され、パス本数はわずか31本という結果となったが、その中でも3本のパスを決定機につなげた。ボグバは、どれほど厳しいマークを受けても自らの仕事をやり切る力とアイデアを持っている。
カンテとポグバという完璧な攻守に補完性を持つ中盤がフランスの生命線となっている。
ただし、クロアチアのモドリッチとラキティッチもパス精度は世界最高クラスで守備力も高い能力を持つ。中盤の質という点に関しては、ベルギーを含めてこれまでフランスの対戦相手と比べると、クロアチアが最も高い。
しっかりボールをつなぎ、そう簡単には崩れないクロアチアの中盤に対して、カンテとポグバがどのようなプレーを見せるのか。逆にカンテという壁に対して、クロアチアの中盤が攻略法を見出せるのか。この中盤のマッチアップは決勝の大きな見どころとなる。
中盤で優位に立ったチームが栄冠に近づけると言えるだろう。
(文:海老沢純一)
【了】