2人分の働き。中盤を制する圧巻のデータ
カンテは、ここまで全6試合でフル出場を続けており、FIFA公式サイトによるスタッツを見ると、ボールリカバー数は58回。これは、相手のボールを奪い、チームを非ポゼッションの状態からポゼッションの状態に回復させた回数を数値化したもの。
他選手のボールリカバー数を見ると、決勝の相手となるクロアチアで中盤を務めるルカ・モドリッチが30回、イバン・ラキティッチが32回、マルセロ・ブロゾビッチが19回。また、ベルギーのアクセル・ヴィツェルが28回、イングランドでアンカーを務めたジョーダン・ヘンダーソンは25回となっている。
つまり、カンテはボールリカバーに関して、ほぼ2人分の働きを見せているということ。準決勝で対戦したベルギーは、63%の支配率ながら度々中盤でカンテにボールを奪われてはカウンターにつなげられ、シュート数では19本:9本とフランスが大きく上回る結果となっている。
フランスは「カウンターが強力」と言われるが、それはカンテの2人分の働きによるところが大きい。カンテを擁するフランスは“ピッチ上で12人がプレーしている”とも言える。カンテのような選手がいれば、DFラインが果たすべきタスクは大きく軽減され、チームの守備力は大きく向上する。
そして、攻撃面でフランスのキーマンとなるのがカンテと中盤でコンビを組むポール・ボグバである。
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