98年大会優勝時と現在の共通点
青、白、赤を配したフランス国旗。それぞれの色が持つ意味は、『自由、平等、博愛』。現地語では、「Liberté, Égalité, Mbappé …」
ん? 「博愛」を示すのはFraternitéだったような??
と、これはベルギーとの準決勝戦のときに、シャンゼリゼ通りに集まったサポーターが掲げていたもの。そしてこれこそが、ワールドカップ決勝を目前に控えたフランスの期待感を的確に表している。
すでにこの大会で3得点をあげている超新星、19歳のキリアン・エムバペ。
とはいえ、これは「エムバペがチームの支柱で、彼だけを応援している」という意味ではない。これが示しているのは、現代表は、エムバペの溌剌としたフレッシュさを象徴したチームである、ということだ。
多くのファンは、98年大会での優勝を思い出し、「ちょうど20年目の節目の今年はフランス勝利の年に違いない」と確信している。
多くの現地メディアが報じているように、実際、98年の優勝チームと、現チームにはいくつもの共通点がある。
たとえば、20年前もリリアン・テュラムやロラン・ブランら、ディフェンダーが大事なところで得点を決めて歩を進めたが、今回も、バンジャマン・パヴァールやサミュエルル・ウムティティが決定的な得点を挙げている。98年にはティエリ・アンリという新鋭が鮮烈な印象を与えた。今回は、言わずもがなの、エムバペだ。
今大会の9番、オリヴィエ・ジルーは、得点はないもののチームのために体を張っている。20年前、その役割を務めたのは、ステファン・ギバルシュだ。
20年前の指揮官エイメ・ジャッケは、実力は認めながらも、チームの輪を考えてエリック・カントナをあえて代表メンバーから外した。そしてディディエ・デシャンも、同じ理由でカリム・ベンゼマを招集していない・・・等々。