さながらプレミアリーグオールスターな一面も
イングランドのサウスゲイト監督も「我々には高いモチベーションがある。ワールドカップでメダルを獲得するチャンスがあり、これまでに成し遂げてきたイギリスのチームは我々だけだ。ベルギーには一度負けているので、やり返したい」とリベンジに燃えている。
日程面の厳しさ、疲労、メンバー変更、戦術的な駆け引きなど、様々な要素が絡み合う一戦になるが、イングランドとベルギーの今大会2度目の対戦では選手たちのメンタル面のマネジメントがカギを握りそうだ。
ここまで書いてきたように、監督たちはそれぞれモチベーションを見出し、おそらく今回のワールドカップの3位決定戦を2年後のEUROに向けたスタートとしても位置づけているだろう。では選手たちはどうか。やはり決勝の舞台に立てなかったことによるショックは大きいはずだ。
最後は勝って終わるためにも、高いモチベーションを保てていて、かつコンディションの良い選手を見極めながら、グループリーグでの対戦を踏まえてどちらが先に勝ち筋を見つけられるか。ただの「消化試合」ではない指揮官同士のマネジメント力が試される、興味深い一戦になる。
もう1つの注目は出場する選手たちの顔ぶれだ。ベストメンバーがピッチ上に揃えば、さながら「プレミアリーグオールスター」のようになるだろう。イングランドは登録23選手全員がプレミアリーグ所属。ベルギーも23人中11人が普段はプレミアリーグでプレーし、在籍経験もある選手も含めれば15人になる。
現在6ゴールで得点ランキング首位に立つイングランドのFWハリー・ケインが大会得点王に輝くのか、あるいは4ゴールで追走するベルギーのFWロメル・ルカクが逆転するのか。トッテナムとマンチェスター・ユナイテッドのエースストライカー同士の対決も最終局面を迎える。
エデン・アザールやケビン・デ・ブライネ、ティボ・クルトワ、マルアン・フェライニら、初の3位入賞を狙うベルギーはプレミアリーグ屈指のタレントを数多く抱える。イングランドにも次世代を担う若き才能たちと、屈強な男たちがゴールに襲いかかる自慢のセットプレーがある。
果たして軍配はどちらに上がるか。ワールドカップを勝って終われる1つ目のチームを決めるベルギー対イングランドは、日本時間14日23時キックオフ予定となっている。
(文:舩木渉)
【了】