鍵はメンタル面。準決勝の敗戦からどこまで立ち直れるか
イングランドの選手たちは、クロアチア戦の延長戦終盤に右太ももを痛めたキーラン・トリッピアーも含め全員が13日の練習に参加したという。代表OBであるシアラー氏の主張が彼らに必ずしも当てはまるとは言えないようだが、選手の身体に無理をさせるほどではないのかもしれない。
もう1つ彼らにとって鍵になるのはメンタル面の回復具合である。前回のブラジル大会では、準決勝でドイツに1-7という屈辱的大敗を喫した開催国ブラジルが、3位決定戦までにチームを立て直せないままオランダにあっさり0-3で敗れた。
イングランドは大敗ではなかったが、クロアチア相手に先制しながら勝利目前で追いつかれ、PK戦に持ち込めるかと思いきや逆転されるというダメージの大きな負け方を経験した。それによって負った心の傷は大きかっただろう。
サウスゲイト監督も「我々がメンタル面で非常に困難な数日間を過ごしたのは明らかだ。ワールドカップの決勝まで20分というところまで迫り、延長戦でも決勝につながるPK戦まであと10分だった。我々があの場にいた理由は、大きな目標を達成するためだったからね」と、まだ敗戦を完全に受け入れきれずにいる様子だ。
一方、ベルギーのロベルト・マルティネス監督は、2度目のイングランド戦に向けた記者会見で「(グループリーグと)全く同じような戦術的な試合になるだろう。2チームの間に秘密はないからね」と述べた上で、「これまでと違った顔ぶれが並ぶかもしれないが、役割は非常に似たものになると思う」と両チームのメンバー変更を予想した。
13日が45歳の誕生日で、選手たちに花道を作ってお祝いされたスペイン人指揮官は、シアラー氏と違い3位決定戦にも意味があると信じているようだ。イングランドに勝利することの重要性と、全力で臨む姿勢を明確にした。
「我々は勝ちたい。大会を終えた時には、最後の試合での感情が引き継がれていくものだ。我々はロシアに到着して以来、1ヶ月ほど滞在し、素晴らしい経験をしている。ベルギー代表の一員であるすべての選手が信じられないほどのパフォーマンスを見せている。ベルギーのファン全員が勝利の感情とともに大会を終えるべきだ。我々は持てるものの全てを出し切るつもりだし、イングランドも同じ考えを持っていることを知っている」