「3位に意味はない」のか?
ケイン擁するイングランドとE・アザール擁するベルギーがロシアワールドカップの3位決定戦で激突する【写真:Getty Images】
ワールドカップの3位決定戦は「世界最高の消化試合」なのだろうか。
元イングランド代表の名FWアラン・シアラー氏は、自身のツイッターで「3位と4位のプレーオフは、全くもって愚か。選手たちはやりたいと思わない」と主張した。
この議論に終わりはないだろう。世界の頂点に立つ優勝チーム以外は、全員が敗者になるワールドカップにおいて、勝って追われることを良しとするのか。金・銀・銅のメダルがあるオリンピックと違い、黄金に輝くトロフィーのみを目指すのだから、優勝以外の順位に意味はないと考えるのか。2つの相反する主張が妥協点を見つけられるとは思わない。
それでもロシアワールドカップの3位決定戦は現地時間14日に行われる。すでにグループリーグで一度対戦しているイングランドとベルギーが再び「3位」の座をかけてぶつかり合う。
イギリスの大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』による賭けオッズはベルギーの勝利が2.15倍、イングランドの勝利は3.2倍となっている。ベルギーがやや優勢といったところか。
ちなみにグループリーグ最終戦で両者が対戦する前の同社のオッズは、イングランドの勝利が2.5倍、引き分けが3倍、ベルギーの勝利が2.75倍だったため、今回は立場が逆転したことになる。
イングランドが不利になる要素としては、準決勝のクロアチア戦から中2日での強行日程なうえに、決勝進出をかけた大一番でが延長戦までもつれたことなどが挙げられる。120分間プレーした選手も多く、終盤には筋肉系のトラブルを抱えていた選手もいた。
前回の対戦時はともに2勝して決勝トーナメント進出を決めた状態でのグループリーグ最終戦だったため、お互いにスターティングメンバーメンバーを大きく変更していた。イングランドは直前の試合から8人、ベルギーに至っては9人を入れ替えて戦い、アドナン・ヤヌザイのゴールでベルギーが1-0の勝利を収めた。
そして今回も、イングランドはスターティングメンバーの入れ替えが見込まれる。3位決定戦のベルギー戦に向けた記者会見に出席したガレス・サウスゲイト監督は「(準決勝と)全く同じスタメン11人にはしないだろう。できる限りの変更を加えるのが理想的だ」とこれまで出場機会の少なかった選手たちの起用を示唆した。
やはりコンディションの問題が大きいようで「肉体的に誰がもう一度プレーできるのか決めなければいけない。全員プレーしたがっているし、練習にも全員が参加したが、完全に力を注げないのであれば、常にプレーすることが必ずしも良い決断というわけではない」と疲労の残る選手を無理に使うつもりがないことを強調した。