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クルトワは何かと興味深い存在。淡々とこなすビッグプレー、“セーブ王”の真骨頂とは【西部の目/ロシアW杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

セーブ王は確定的な少し変わったGK

 今大会のセーブ王は、今のところ23本のシュートを止めたメキシコのギジェルモ・オチョワだ。クルトワは21本で2位につけている。その差2本なので、おそらく3位決定戦の後にはクルトワがセーブ王に収まっているだろう。

 ブラジル戦ではドウグラス・コスタの弾丸のようなシュートを弾かずに手中に収めていたセーブが印象的だった。キャッチしたのではないが、手に当てて即座に抑え込んでいた。強烈な一撃を弾きにいかない判断も凄いが、柔らかく収めてしまった手首はどうなっているのだろうと思ってしまう。

 日本戦での3点目をセットしたデ・ブルイネへのアンダースローも印象深い。残り時間わずか、日本のCKをキャッチした後、自分の後方からスタートしたデブライネを見つけて冷静に転がして渡した。セーブ同様に淡々とやっているから目立たないが、決定的なプレーだった。

 準決勝のフランス戦の後、フランスの守備的な試合運びについて「アンチ・フットボール」発言をしていたのも面白い。スペインやオランダの選手が負けるとよくこの手の文句を言うが、GKがこういう批判をするのは珍しいのではないか。

 ベルギー黄金世代の集大成として、何かと興味深いセーブ王の活躍が期待される。

(文:西部謙司)

【了】

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