巨額投資で選手売却の必要性も
それらの結果、クラブの総収入は右肩上がりに増えた。2010/11シーズンの総収入は約1億7200万ユーロ、それが2016/17シーズンになると5億6270万ユーロというところまで拡大している。
実際経営規模の拡大に合わせ、近年はきちんと金を使っており、過去3シーズンは毎年1億2000万ユーロを超える資金を移籍金として使っている。
アニェッリ会長は2016年に「次の5年間のうちに総収入を7億ユーロぐらいまで拡大させたい」と語っていた。こうなれば、総収入は現在のレアル・マドリーとほぼ同規模。その言葉から考えれば、C・ロナウド獲得は経営規模拡大のビジネスプランに乗った上でのことだと理解できる。
ただ現状で収支はだいたい同じぐらいだから、C.ロナウドを引き入れるに当たってユベントスはなお一層経営努力を図らなければならないということになる。
経済面からサッカーを報じる情報系メディア「カルチョ&フィナンツィア」によれば、3100万ユーロとそれに掛かる税金、さらに選手登録権支出額の減価償却分(つまり1億ユーロの移籍金を契約年数4年で割った額)を加えれば、C・ロナウド加入によって毎シーズン9642万ユーロの支出が確定するのだという。
増資が行われることは確実と見られているが、他の収入増はどう図っていくのか。当然ながらユーベはすでに今シーズン年間シートの値上げを行ったため、スタジアム収入は2000万ユーロほどの増加が見込まれるとか。
さらに『ネイマールを獲得したパリ・サンジェルマンが30%増のマーケティング収入を得たことなどを参考に計算した結果、C.ロナウド獲得効果で合計8000万から1億ユーロほどの収入増が期待できる』と報じているメディアもある。
もちろん、選手の放出なども必須となるだろう。ゴンサロ・イグアインが放出対象となるものと現地では報じられている。