フランス、クロアチアから学ぶべきこと
イングランドと同じく、日本もリードを奪うことに成功していた。後半開始からの信じがたい7分間に原口元気と乾貴士が得点し、2-0でリードするというまさかの展開を演じた。
だがイングランドと同じく、西野朗監督のチームも優位に立ってからの試合の流れをコントロールすることができなかった。相手に反撃の糸口を与えてしまい、不利に傾いた流れを止められなかった。
トップレベルではそういうわずかな差が勝負を分ける。日曜日の試合で世界王者への戴冠を争う2チームは、試合の潮目を読んで対処できる力があることを、今大会を通して何度も見せてきた。
クロアチアは決勝トーナメントに入ってからの3試合全てで先制点を奪われているが、そこから勝利を収めるのに必要な力を持っていた。フランスも揺るがない強さを見せてきた。
決勝トーナメント1回戦ではアルゼンチンの一時的な反撃にも動じず1-2からの逆転勝利。その後のラウンドでもきわめて効率的な戦いぶりでウルグアイとベルギーを容赦なく退けた。
モスクワでどちらがトロフィーを掲げるとしても、この素晴らしい大会のチャンピオンとしてふさわしいチームだったことは間違いない。日本やイングランドには、今後に向けて彼らの戦いぶりから学ぶべきところがあるだろう。
(文:ショーン・キャロル)
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