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代表 6年前

【英国人の視点】日本とイングランドに共通する課題とは? 手痛い敗戦が教えてくれたこと【ロシアW杯】

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「結局はいつものイングランドだった」

 クロアチアは決勝トーナメント1回戦でも準々決勝でも120分間とPK戦を戦ってきたが、試合が進むにつれて息切れしてきたように見えたのはイングランドの方だった。ガレス・サウスゲートのチームはなかなかボールを保持することも、得点チャンスに繋がる形を生み出すこともできずにいた。

 クロアチアはポゼッション志向の戦いを貫き、ボールを大切にしてスペースを生み出す自分たちの力を信じることで前半の苦しい時間帯を乗り切っていた。一方でイングランドは冷静さを失い、過去の姿に戻ってしまった。

 ボールを必死にクロアチア陣内へと放り込み、ケインがなんとか打開してくれることを期待するばかりだったが、デヤン・ロブレンとドマゴイ・ヴィダにしっかりと抑えられてしまっていた。

 ケインには酷な要求だと感じられた。中盤でボールを持って何かを起こすことができる選手がいないイングランドは、セットプレーに大きく依存する以外の選択肢をほとんど持っていなかった。

「イングランドは変わったというのが全体的な印象だった。前線にボールを放り込む戦い方を変えていた。だがプレスをかければ、結局は変わっていなかった」

 クロアチアのDFシメ・ヴルサリコはそう話していた。

 この日のイングランドに足りなかった部分を的確に言い表している言葉だ。トリッピアーによる先制点は、ロシア大会を通してイングランドが決めた計12ゴールのうち9点目となるセットプレーからの得点だった。流れの中からの3点のうち1点も、準々決勝のスウェーデン戦で2-0としたゴールは、深い位置からのクロスにデル・アリがヘッドで合わせたものだった。

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