先制点献上も、焦りは見られず
ズボニミール・ボバン、ダボール・スーケルを擁し1998年フランスワールドカップ3位に輝いたクロアチア代表。この成績は以降20年間、越えられることはなかった。
しかし、歴史は変わった。ロシアワールドカップ準決勝、ヴァトレニのイレブン達はイングランド代表を2-1で下し、初の決勝進出を決めたのである。
クロアチアはこれまでと同じく4-5-1の布陣でスタートした。メンバーは7日に行われた準々決勝ロシア戦から一人を変更。アンドレイ・クラマリッチに変えマルセロ・ブロゾビッチを先発に起用し、イバン・ラキティッチと2ボランチを組ませた。そして、ロシア戦では中盤の底に入っていたルカ・モドリッチをトップ下に配置。それ以外に大きな変更はなかった。
対するイングランドは3-5-2のフォーメーションでスタート。メンバーは準々決勝スウェーデン戦から変更なく、両チームともベストメンバーで挑む形となった。
試合開始早々、さっそくゲームは動く。ペナルティエリア手前でデル・アリがファウルを受け、FKを獲得。これをキーラン・トリッピアーが見事に沈めスリーライオンズがいきなり先制ゴールを奪った。イングランドはこれで計12得点のうち実に9ゴールがセットプレーから生まれたという結果に。いきなり強みを前面に押し出した。
しかし、デンマーク戦、ロシア戦と2試合続けて先制されながらも追いつくことができたという自信があったのか、リードされている状況でもクロアチアに焦りの色は見受けられなかった。
中盤でパスを回しながら確実に相手ゴール前まで迫っていた。イングランドは先制ゴールを奪った余裕からか最終ラインを深い位置まで下げていたため、高い位置でボールを奪取することができずにいた。カウンター時は長いパスからラヒーム・スターリングを走らせるという展開が多く見受けられ、いくつかチャンスも作ってはいたが、ペースはクロアチア、というような前半の印象であった。