中盤の役割が重要に
クロアチアの懸念点を挙げるとすれば、コンディション面だろうか。決勝トーナメントではすでに240分戦っており、相当疲労が溜まっているはず。準々決勝の対ロシア戦ではシメ・ヴルサリコが延長戦途中に足を痛め交代を余儀なくされており、守護神のダニエル・スバシッチも痛みを抑えながらなんとか試合を乗り切ったという感じだった。イングランド戦では、こうした疲労の影響がどこまで響くか。そういった点も、試合を決定づける一つのポイントになるかもしれない。
そんなクロアチアのカギを握るのはやはり中盤の選手たちだ。特にルカ・モドリッチとイバン・ラキティッチの存在感は大きい。
前者は言わずと知れた世界最高のMF。幅広いエリアに顔を出し、攻守両面で味方をサポートできる。ロシアとの準々決勝では、延長後半に入ってもゲーゲンプレッシングを止めない姿が印象的だった。無尽蔵のスタミナで守備面においてもチームに貢献でき、ゲームを作ることもできる。カウンターを中盤で食い止める役割、そして試合の流れを引き寄せることのできる正確無比なパスはイングランド戦でも必須となってくるだろう。
そんな同選手とコンビを組むラキティッチもまた、クロアチアを支える選手の一人だ。モドリッチとラキティッチのコンビネーションは、ヴァトレニの攻守のバランスを整えるために必要不可欠となる要素。
二人の呼吸が合っていなければ中盤がスカスカな状況になり、イングランドのような強力な攻撃陣を揃えるチームであればその点を有効に使ってくるだろう。そういった場面を作らせないためにも、両者の動き、ポジショニングは重要なポイントになってくるはずだ。
確かなのは、モドリッチ、ラキティッチがいる中盤はクロアチアのストロングポイントだ。
【次ページ】イングランドの長所はやはり…