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ピックフォードが止めたイングランドの黒歴史。異例のスピード出世GKが守るゴールマウス【西部の目/ロシアW杯】

 イングランドはこれまで、ワールドカップのPK戦でことごとく敗れてきた。しかし今大会、決勝トーナメント1回戦・コロンビア戦で勝利し、負の歴史に終止符を打った。立役者はジョーダン・ピックフォード。A代表デビューから約半年で守護神の座を掴んだ24歳が、サッカーの母国を最後尾から支える。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

PK戦未勝利の歴史を変える

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ジョーダン・ピックフォード【写真:Getty Images】

 イングランド代表の正GKはここしばらくジョー・ハートだった。しかし、ハートはロシアワールドカップの23人に選出されていない。3人のGKはジョーダン・ピックフォード、ジャック・バトランド、ニック・ポープ。いずれも若いGKだ。ポープが26歳、バトランド25歳、そして第一GKが24歳のピックフォードである。

 185cmとGKとしてサイズは大きくない。しかし、どっしりと構えてスムーズな反応でセーブする。ラウンド16のコロンビア戦ではPK戦を制してヒーローになった。イングランドは過去3回、ワールドカップでPK戦を経験しているが1回も勝ったことがなかった。それどころかEUROでも3回PK戦で敗退しており、勝ったのはEURO1996のスペイン戦だけだった。

 PK戦は運次第ともいわれるが、こうまで弱いと何か理由があるのかもしれない。しかし、とりあえずピックフォードの活躍もあってイングランドはPK戦に勝てないというジンクスは払拭された。

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