ギリギリの状態。ぶっつけ本番だった西野ジャパン
日本代表はロシアワールドカップで史上最もベスト8に近づいた。最後は優勝候補のベルギーに力でねじ伏せられたが、間違いなくベスト8に片足を突っ込んでいた。短い準備期間で戦えるチームとなり、結果を残したことは評価すべきことだ。
なぜ西野ジャパンは結果を出せたのか。その理由は様々あるが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任もその1つである可能性は捨てきれない。背水の陣となった選手たちは1つとなった。「解任ブースト」は少なからずあった。
だからといって、あのバカげた「ハリル解任劇」を正当化してはいけない。何度でも繰り返すが、あの解任劇は極めて愚かでバカげたものだ。日本代表のワールドカップでの戦いを見て、さらにその思いは強くなった。
西野ジャパンは博打的な要素が強かった。香川真司=乾貴士という最良のユニットを見つけ、そこに柴崎岳を組み合わせた攻守連動の「最適解」はあった。だが、ワールドカップ直前のパラグアイ戦まで香川と乾は100%の状態になるかどうかは不透明だった。
長期離脱していた香川は試合感が戻っておらず、国内合宿直前に負傷した乾はより深刻で、回復が間に合うのかギリギリの状態だった。パラグアイ戦もぶっつけ本番に近かった。
また、最適解こそあったものの、それ以外のプランは持ち合わせてなかった。守り切るオプションは構築できず、交代枠も厳しい言い方をすれば本田圭佑と岡崎慎司以外は「使えない」駒だった。そして最後は岡崎も負傷した。
「ベストチーム」で行けるだけ行く――。イケイケドンドンと言えば聞こえはいいが、玉砕覚悟とも言える。結果は評価すべきだが、綱渡りのベスト16だった。