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個をつなぐ「偽CFデ・ブルイネ」という奇策。ベルギーが見つけた“正解”、最高の状態で準決勝へ【西部の目/ロシアW杯】

 ロシアワールドカップ準々決勝・ブラジル戦において、ベルギーはケビン・デ・ブルイネを「偽CF」として起用。この策が当たり、王国を打ち破った。デ・ブルイネを触媒にエデン・アザールやロメル・ルカクの『個』もさらに光るようになった。奇策にも映るこの戦い方だが、実は彼らの力を最大限発揮するための正解かもしれない。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

ブラジル戦の偽9番

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ケビン・デ・ブルイネ【写真:Getty Images】

 準々決勝のブラジル戦、ロベルト・マルティネス監督は奇策を打った。ケビン・デ・ブルイネの「偽CF」である。

 ロメル・ルカクを右、エデン・アザールを左に起用、それまでMFの深いポジションだったデ・ブルイネをCFに置いた。ルカクとアザールでブラジルのディフェンスラインを釘付けにしておいて、CFのデ・ブルイネが中盤へ退いて数的優位を作る。バルセロナでのリオネル・メッシによるファルソ・ヌエベ(偽9番)で有名になった手法だが、まさかベルギーがそれをやってくるとはブラジルも予想外だったろう。

 ルカクをブラジルの左SBマルセロにマッチアップさせたのが効いていた。体格面でルカクが圧倒的に有利であり、ブラジルはルカクの扱いに困っていた。後半にはマルセロをルカクのマークから切り離して対応していたが、前半の戸惑いのぶんがベルギー勝利につながった。

 ラウンド16の日本戦までは、アクセル・ヴィツェルとともにボランチの位置でビルドアップの中心になっていたデブライネだが、マンチェスター・シティのように攻撃に出にくかった。ルカク、アザール、ドリース・メルテンスの3人が前線にいるので、彼らのサポート役に徹していた。

 ある種、オールスター的な編成だったベルギーは、ブラジルという強力な相手に対して奇策を使ったわけだが、もしかしたらこれで正解を見出したのかもしれない。

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