『おっさんジャパン』に託されたロシア大会
「とにかく『おっさん、おっさん』と言われていたので、若い選手より走ろうと思っていた。批判を覆したい気持ちが強かった」
長友佑都が繰り返し、こう語気を強めたように、2018年ロシアワールドカップの日本代表は、2010年南アフリカ、2014年ブラジルの両ワールドカップで「天国と地獄」を経験したベテラン世代に引っ張られる形となった。
ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が目指したタテに速いスタイルに、日本らしいスピーディーなパス回しも織り交ぜたスタイルでのベスト16達成というのは、彼らにとっても、日本サッカー界にとっても意味のあるものだったと言っていい。
南アから8年間の集大成をロシアの地で飾った長谷部誠が代表引退を発表し、本田圭佑も4年後の2022年カタールワールドカップを目指さないことを明言。川島永嗣や岡崎慎司らもこの先は代表招集機会が減っていくだろう。長友はまだまだ第一線で走り続けていくはずだが、4年後は35歳になる。ブラジル経験組で次期キャプテン最有力候補の吉田麻也も来月には30歳の大台を迎えるし、香川真司も同じく来年3月には30歳になる。こういった面々に頼っていられなくなるのは間違いないだろう。
日本が去った後、準決勝に勝ち上がった4ヶ国を見ると、フランスとイングランドは特に若い世代の活躍が目立つ。フランスは19歳のキリアン・エムバペ、22歳の右サイドバック、ベンジャミン・パバールらを筆頭に一躍、スターダムにのし上がった20歳前後の選手が少なくない。
イングランドもキャプテンのハリー・ケインが24歳、2トップを組むラヒム・スターリングが23歳、2列目に位置するデレ・アリが22歳ととにかくフレッシュな集団だ。彼らの後には2017年U-20ワールドカップ、U-17ワールドカップを制覇した輝かしい世代が控えていて、ここから全盛期に突入するという見方も根強い。