ベスト8へ。今こそ必要な守備の原則と文化
今大会、コロンビアやセネガル、ベルギーに対しても2点と複数得点を取れており、攻撃においてはワールドカップで勝っていく可能性を示せたと思います。大会を終わって総括的に考えるのであれば、やはり失点数をいかに減らしていくかが今後の大きな課題です。
攻撃に関しては日本のスタイルが作られてきて、実際に相手から嫌がられています。それは、攻撃においての議論が深まってきていることと無関係ではないでしょう。「日本人らしさ」で真っ先に挙がる細かい技術や敏捷性を生かす攻撃の方法は、様々なところで語られています。
しかし、守備面ではどうでしょうか。どういうポジションに立つべきか、どういう判断をすべきか、どういう対応をすべきかというのは、あまり議論が深まっているようには感じません。細やかさや粘り強さも「日本人らしさ」なら、守備面でも世界の国々を嫌がらせることはできるのではないかと考えます。
そのためには原則を抑えることです。守備とは原則をもとに行われます。「やるべきことをやる」。それが守備の堅さを生み出します。試合においては、その上に「判断」がありますが、そもそも原則が定まっていなければ、やるべきことが分かりません。それでは「やるべきことをやる」は叶うはずがありません。
そのためには語り合うことでしょう。今回は素晴らしい教材を得ました。様々な場面について「ああすれば守れたんじゃないか」「こうすれば守れたんじゃないか」と議論してください。それも失点シーンだけでなく、試合全体から展開を読み取りながら。そうして議論を深めることが、日本の守備を堅くし、強くし、ベスト8に導くでしょう。
(分析:岩政大樹、構成:編集部)
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