乾貴士は「興奮するような発見」
『BBCスポーツ』のウェブサイトでは、乾がファン投票によりベルギー戦のマン・オブ・マッチにも選出され、『インディペンデント』紙電子版では「乾貴士は、ロシアで発掘された隠れた逸材としてワールドカップを去る」という見出しで、技巧派MFを紹介している。
「ブンデスリーガやラ・リーガの下位チームを追いかけるコアなサッカーファンは知っているかもしれないが、乾は欧州カップ戦には出場しておらず、ワールドカップも今回が初出場。それだけに、30歳と若くはないが、興奮するような発見に感じるはずだ」
「コロンビア戦では敵を脅かし、セネガル戦ではカーブの効いたワンダフルな得点を決めるパフォーマンスを見せた。ポーランド戦では目立たなかったが、ベルギー戦では再び敵を恐れさせた。ゴールは、前回とは異なり、ダイレクトな弾丸シュートから生まれている」
大会前の期待度は低く、グループリーグ突破を夢のように感じていたファンも多かったが、実際には見ているものを熱くさせるパフォーマンス、さらには結果を出してくれた今回の日本代表。国内では当然のように評価を高めたが、英国でも大きなインパクトを残している。
元イングランド代表主将のテリー・ブッチャーも、今大会で見た日本代表の成長ぶりに賛辞を送った。
「惜しくも準々決勝に届かなったが、『我々は進歩している。これだけの場所に到達して、あのパフォーマンスを世界中に見せることができた。特別なレベルとも言える、ベスト8まで本当にあと一歩だ』と、日本の選手たちは思えるのではないか」
「彼らの成長は、本当に素晴らしいものである。今晩の彼らは偉大だった。彼ら同様に、(必死に応援して、試合後には掃除をしてスタジアムを後にする)日本のファンも偉大だ。称賛されるべきである」
初のベスト8進出には残念ながら届かなったが、今後に可能性を感じさせる素晴らしい戦いを演じてくれた。日本代表選手たち、そしてすべての代表サポートスタッフに「お疲れさまでした」という言葉をお送りしたい。
(文:松澤浩三【イングランド】)
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