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日本代表 6年前

英国メディアが見た日本。「長く語り継がれる試合」。ベルギー戦大健闘にやまぬ賛辞【ロシアW杯】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

ジーコ氏「ハリル続投なら準決勝まで…」

 さらにセティヨン氏は親しい友人であるジーコと、大会前に日本代表について話をしたとして、こう続けている。

「ジーコは、(ヴァイッド・)ハリルホジッチ前監督が続投していたら、ベスト8、準決勝の可能性もあったのではないかと話していました。その際に、『日本の選手は勤勉だし、器用だし、優秀だが、気迫が薄いことがある』とも言っていた。気持ちが足りないと考えられていたが、今日の試合ではとても熱いハートを見せていましたよね!」

 同じく同番組に登場した元イングランド代表クリス・サットンも「選手もファンもハートブレイクだろう」と同情し、「歴史を作る直前まで達していた、ほぼ手中に収めていた、あの状況からの逆転負けだけに辛いはずだ。だが日本代表はこの試合を誇りに思っていい」と語った。

「日本こそが、今日のこの試合を作った。選手全員がトップクラスのパフォーマンスを見せたのだから。下馬評では圧倒的に不利だった。ベルギー代表のラインナップを見て、机上の計算なら日本を圧倒的に蹴散らしたはずだ。しかし今回のワールドカップは、これまでと何かが違う。アンダードッグがアンビリーバブルなプレーをしてくれている。最高のワールドカップだ」

「(決勝点の場面も)ポジティブな戦いをしただけのこと。この試合を通してずっとそうだったようにね。リスクを負うべきではなかったという人もいるかもしれないが、彼らは勇気を持ってプレーしていた。思いもがけなかった前線からプレスをかけて、彼らのポジティブな姿勢が試合を有利にさせた」

 そして最後に、サットンはこの大会ではポーランド戦以外では株を下げ続けたGKの川島永嗣に辛辣な評価を下している。

「日本のアキレス腱は、ただ1つ。GKだ。あの1失点目の場面。点を取られるワンプレー前の時点でボールをキャッチできたはずだが、それをしなかった。あれを掴んでいればヤン・フェルトンゲンのゴールには至らなかった。私は川島を、数シーズン前のダンディー・ユナイテッド時代にも見ているが、彼はダンディーでもミスを何度も犯したのを覚えている。ワールドカップのこのようなビッグゲームで起用すべきではない。彼があの時点でベルギーにモメンタム(勢い)を与えた。彼こそが最大の戦犯だ」

 翻って今大会で評価がうなぎ上りなのは、乾貴士となる。ベルギー戦でもチームの2点目となるゴールを決め、試合を放送した『BBC』で解説を務めた元イングランド代表のリオ・ファーディナンドが「クリーンに、完ぺきに捉えたシュートだった」と舌を巻いた。

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